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従業員の声

取締役統括部長から

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栗田煙草苗育布製造株式会社における、社内体制に関する考えや想いについて、現場と開発の責任者でもある酒井取締役統括部長からお話させていただきます。

――まずはどのような会社を目指しているか教えて下さい。
ありきたりかもしれませんが、人を大事にする会社でありたいと思っています。
優秀な人というのはすぐには集まりません。良い設備というのはお金を出せば買うことはできますが、仮に優秀な人を集めるためにお金をかけたとしても、それが本当に自社にとって必要な人材かどうかはわからないですし、会社に残ってくれるとも限りません。ですから、これから会社が発展するために、採用は増やしていきたいですし、採用後も、できるだけ長くいてもらえる環境を作り、経験を積んでもらいたいと思っています。そして、ゆくゆくは会社の中核を担えるような人材になってもらいたいと考えています。


――やはり人材が大事であるということですね。
もちろん、人だけでなく、商品力を高めることも忘れてはいません。それぞれの商品には市場での寿命もありますので、これからもっと新しいものを開発していきたいですし、個人的にも開発には力を入れたいと考えています。しかし、会社の仕組みやシステムが整っていなければ、良い商品を開発し販売しても、会社としては良くなりません。実際に弊社でもそのような傾向が出ていますが、会社の中身やしくみがシステムを構築することで、必然的に売上が伸びていくような会社を目指しています。
そのためにも、我々経営陣は、その方たちの将来の為に、会社をもっともっと良くしていきたいですし、売上だけではなく会社の中身を充実させたいと考えています。従業員が働きやすい環境を整えていくことも、重要な取り組みだと考えています。


――会社の雰囲気についてはいかがですか?01)DSC_0364test.jpg
基本的には、20代から30代前半の人が多いので、元気はあると思います。その一方で、まだまだ未熟な点も多いのかなと感じています。特に、問題が起きたときの解決のしかた、問題が起きたときの対処について、どう判断すればいいのか、という点についてはこれから強化していきたいなと考えています。


――問題解決の強化というと、具体的にはどういうことでしょうか?
例えば、ある工程で製品の不良が発生しているのも関わらずそのまま進めてしまっている、というケースがあるとします。その場合でも、単純に、「不良が起きているのはわかっているが、どのように対処していいかわからない」という場合もあれば、「その工程では不良と思われていないが、他の工程では決定的な不良につながることを認識していない」という場合もあります。


――やはり経験不足という面で、そういうことが起きてしまうということでしょうか?
経験が少ないから、と言ってしまえばそうかもしれません。でも、経験的な部分以外で、材料や加工に関する知識や、会社全体の製造の流れを理解することで、経験を補い、判断することは可能になると思います。
各担当者それぞれが、目の前の仕事だけでなく、全体を見られるようになってほしい、そういう想いから、まずは材料に関する知識として、繊維の基礎知識についての勉強会を開催しています。



――勉強会ですか。しかし、なぜ、繊維の基礎知識からなのでしょうか?02)DSC_0472test.jpg
まずは作っている製品がどんな素材からできていて、その特徴は何である、という点から入ることで、他の工程の意味も分かるし全体の理解も深まるだろうということからです。
実際に勉強会を始めてみると、実際作業をしている従業員が、作っている製品の事、その素材のことについて、思った以上に知らずに作業していることがわかったので、そういう意味でもやって良かったと思っています。


――非常に良い取組ですね。どういう形で開催されているのですか?
時間も限られていますし、一度に全員を集めて行うということも難しいので、各部門に分けて行っています。現在は、月に2部門ずつ行うので、各部門で、約3か月に1回その勉強会があるという流れになっています。現段階では年間4~5つのテーマを予定しています。
今後頻度が増えるかどうかはともかくとして、今若い会社だからこそ、若い人たちに基礎を身に付けてもらえれば今後の発展が期待できると考えています。また、こういう機会に人から教わることで、今度は教育者として、教わったことを次の世代へ繋いでいってもらいたいですし、それが会社の文化になれば、自然と知識や経験も引き継いでいけるようになると思います。


――他にはどのようなことを考えていますか?03)DSC_0478.JPG
そうですね、技術の伝承については気になっている課題があります。多くのノウハウについては引き継げていると思うのですが、工場長のノウハウを継承することについては考えていかないといけないなと思っています。


――工場長のノウハウ、というと、具体的にはどういうことでしょうか?
機械は購入したらそのままではなく、自社の製品に合わせて調整しますし、場合によっては自分たちで設計して一部を作る、ということを行っています。これまでは工場長を中心にそれらの設定や調整を行うことで、コストを抑えながら、他社にない質のいい製品を提供することができました。まだまだ元気だとはいえ、工場長に甘えすぎることなく、次世代の担当者を育てなければいけないと思っています。できれば社内から育ってほしいと願っていますが、場合によっては他から来ていただくことも検討しながら対策をしていこうと思っています。
もし、我こそは、という方がいたら、ぜひ立候補して頂けたらと思います(笑)


――なるほど、さてこのあたりで、管理者そして経営者の一人として、酒井取締役個人のことについてもお伺いしたいのですが、まずは現在のお仕事についてお聞かせ下さい。
04)DSC_0440test.jpg製造部と営業開発部の責任者として全体を統括しています。
製造部については、生産管理、在庫管理に力をいれ、2011年の4月から、各工程間の情報共有に取り組んでいます。例えば以前では、大橋町工場から出荷される製品と、そこから一度本社に戻す製品との振り分けがうまくいってなかったため、本社で加工する分の製品が大橋町工場で止まってしまっているということも少なくありませんでした。また、通常はすぐに出荷できるよう在庫を確保しているのですが、その管理についても甘いところがありました。それまでは各部門や工場の管理者に生産計画を立ててもらい管理も任せていたのですが、それだと結局各部門の都合などが優先されてしまうなど、うまくいかない場合も多く、途中から、私自身でコントロールすることにしました。


――結果はどうなりましたか?
そうですね、出荷するものについて、不足が発生するということはなくなりました。設備が増強されたと言う事もありますが、その効果を最大限に活用できていると思っています。実際、残業時間もほぼ無くなりましたし、決められた時間で決められた数量を生産するという体制もできていると思います。生産のペース配分なども管理できるので、1日にこれだけをきちんと生産すれば間に合うんだよ、というのを示せるようにもなりましたし、常に1ヶ月先を見ながらやっているので、体制としてはとても安定していると思います。


――開発部のお仕事についても教えて下さい05)DSC_0366.JPG
基本的にはお客様である販売業者との共同開発が中心で、常に5~10件くらいの案件が動いています。ただ、商品の特性上、検査の結果が出るまでに時間がかかるので、長いもので、4年半くらいかけてようやく製品化されたものもあります。


――開発について気を付けている点はありますか?
新しい商品を作っても、現場で使う方々にとっては、今まで使っていたものに置き換わるという点で手間になってしまうので、なかなか置き換わらないという難しさはあります。その部分については、製品を販売している業者に任せるしかない部分ではありますが、置き換えてでも使ってもらえるようなより良い製品を開発できるよう一緒になって取り組んでいます。


――だいたいどのくらいの製品が商品化されるのですか?
プロジェクトとしては大小いろいろな規模がありますが、年間2~3件以上は製品として商品化されています。また、これまでは、主力製品に関する開発プロジェクトが多かったのですが、今は本当に新しい分野にも挑戦しているので、難しい部分も多いですが、非常に楽しみです。


――今の仕事について、面白さ、やりがいなどはどういうところで感じますか?
やはり、立場的に全体を見ることが出来る点は、非常に大きなやりがいを感じます。
製品の開発から製造ラインの管理はもちろん、営業もやっているのでお客様と会ってお話することもできますし、そこから得られる情報も多く、それを開発にフィードバックできるのもこの仕事の魅力かなと思います。会社全体として、開発から製造・販売まで一貫して生産している、という点を掲げていますが、その一貫生産の全体を見ることが出来ているので、そこは非常に面白いと思っています。
販売という点について言えば、実際の施工現場(商品が使われている現場)に立ち会うこともあり、そこで、現場の職人さんの意見を直接聞くことが出来たこともあります。やはりこちらが想いをもって開発しても現場で使いづらければ意味がないので、とても貴重な経験だと思っています。


――素晴らしいですね。そういえば、そもそも栗田煙草に入社するきっかけというのは?06)DSC_0444test.jpg
もともと、大学卒業して最初に就職したのが、衣料ニットのメーカーでした。
前に居た会社と栗田煙草の間で直接の取引はなかったのですが、会社に出入りしている材料卸売業の担当者が、紹介してくれたのがきっかけです。
後から聞いた話ですが、当時の栗田煙草では、後継者の常務と年齢が近く、開発などを先頭に立って進めていける人材を探していた、ということです。実を言うと、私の勤めていた会社は、時代の流れもあり、親会社の方針で清算することになったのですが、その話を例の担当者が栗田社長に話したことから始まって、お会いするに至りました。


――今となっては、非常にいいタイミングのような気もしますね。
そうかもしれませんね。当時10年程勤めていましたが、業績があまり良くなかったので、開発以外にもいろいろな業務を兼務していました。私がいた部門ごと別組織に買収される、という話もあったのですが、勤務地が東京になってしまう点や、そもそも繊維業界には戻ることはないと思っていたので、実は、今の会社についても、それほど乗り気ではありませんでした。


――でも、どうしてそんな中で栗田煙草へ入ることになったのですか?
その担当者が「とにかく1度会ってくれと」しつこかったので(笑)。その人の顔を立てるつもりでお会いすることになりました。
ただ、実際に社長にお会いして、工場を見学させてもらったのですが、若い人も多くて、活気があり明るい印象を持ったのを覚えています。
特に、同じ繊維業界といっても、今まで居た衣料品という衰退分野ではなく、違う分野で活躍しているというのは衝撃的でした。国内での需要があってそれに対しての供給を行っている点、ニッチな市場でやっているという点については、これまでいた分野とは違うぞ、ということを肌で感じました。


――実際に入社してみてどう思いましたか?
その時の印象は、今でも変わらないですね。それに、違う分野といっても、同じ繊維業界ですから。糸へんのつく漢字ってありますよね。私たちはそれらに関連するもの全般を総称して「糸へん」と呼ぶのですが、それら「糸へん」に関する知識や、加工の知識も役立てることができました。また社長からは、若い従業員が多いので、教育をやってほしい、というお話を頂いていますが、その点でも非常にやりがいも感じています。
あと、若い人が多く、年配の方が少ないという点で、仕事がしやすいなというのも正直ありますね。


――ちなみに入社前の会社と現在とで、ここが変わったなという点はありますか?07)DSC_0433test2.jpg
前の会社では、私より若い世代というのが少ないこともあって、年上の人に指示してやってもらうということも多かったと思います。今は反対に、若い人に教えながら作業を進めていくことが増えましたので、やはり教育面については、前より真剣に考えるようになりました。
また、生活面ではプライベートが充実するようになりました。これは想像の部分もあるのですが、現代は、単純に忙しいからといって、業績に直結するとは限らないと思います。今の会社は、業績も順調である一方、自分の時間もしっかり取れるので、体力的にも精神面でも非常に充実していると感じます。



――最後になりましたが、会社やご自身について一言お願いします。
若い人も多いし、全体的に人が良く社風がおだやかなので、居心地はいい会社だと思います。また、若い人が多いので、能力を発揮できれば、それなりのポジションに就くこともできます。一方的な年功序列ではないので、実際に20代で部門長になっている人もいます。今後10年くらいたてば、もっと会社の雰囲気が変わると思いますし、これから一緒になって大きくしていく会社だと思っています。
 ゆくゆくは、自社で育った若手から「安心して僕たちに任せて下さい」と言われて引退し、のんびりと余生を送れたらいいなと思っています。そのためにも、これからまだまだ頑張っていきたいと思います。


――どうもありがとうございました。